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第7回 入学を取り止めた場合の学費の返還の問題

みなさん こんにちは

長らく更新していませんでした。

今回ひさしぶりのテーマは、先日、当事務所にご相談のあった件についてお話します。

大学や専門学校等に合格した場合、入学手続きでは通常、入学金等を払込期日までに払い込みますよね。
払い込まない場合は入学が取り消されたりする場合もあります。

大学等学校によっては、入学金以外に初年度の授業料等の金額も払い込みを必要とする場合もあります。
しかし、事情により、入学しないことになった場合、納めた入学金等を返還請求することになります。
その場合、大学側は、「一旦納入された学納金はいかなる事情があっても返還しない」規則であり、入学手続き案内に説明済みとして、返還しない大学が多くあり、その場合「学納金返還訴訟」等が提起されることがあります。

消費者契約法の施行前までは、学納金の返還を認めない判決が主流でした。
しかし、消費者契約法が施行され、(消費者契約法は、個人である消費者が企業や学校法人等の事業体と契約した場合、事業体等の組織を有する団体に比較して知識や対応能力等に大きな差があることから、消費者を保護する趣旨があります)平成18年11月27日最高裁判決で、
入学金以外の学納金は返還義務があると判示されました。

入学金は、入学できる地位の対価であり、入学辞退者であっても、すでにその権利を有していることから、返還義務はありませんが、「不相当に高額」又は、他の要素の性質を有する入学金については、返還義務が生じる場合があります。

また、学納金の返還義務があるとされるには、入学(4月1日入学の場合は、3月31日までに)までに辞退を申し出る必要があります。

専願制度や推薦入学の場合
入学の専願制度とは、合格すれば必ず入学することを約束して出願する制度です。
最近の学校は、少子化の影響もあり、過去に比較して専願製での入学案内も多くなっているようです。また、試験を経ずに入学させる代わりに必ず入学することを約束させる学校もあるようです。

上記最高裁裁判所の判決では、専願制度や推薦入試により入学を約束されたものは、3/31までに辞退したとしても、授業料等が初年度に納入する範囲内の金額である場合は、学納金の返還義務がないとされました。
しかし、辞退による入学の取り消しの時期が、他の入試により、容易に他の学生を確保できる時期を経過していないような特段の事情がある場合は、返還される余地があります。

専願や推薦入試で合格され学納金を納付された方でも、入学を辞退される方、あきらめないで、まずは、専門家に相談されることをお勧めします。



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