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第5回 ネット通販トラブル~ 「ノークレームノーリターン」 不良品の返品

みなさん こんにちは
身近な暮らしの法律問題について、ご紹介しています。

今回は、当事務所にも過去、相談の多かった事例、インターネットのトラブルに関する相談です。インターネットに関するトラブル相談は、インターネットの普及に伴い、増加しており、相談事例は多数ありますので、このブログでもシリーズ化してお届けしたいと考えています。

今回のテーマはネットショッピングに関するトラブル相談です。

私もネット通販は多く利用しています。

業務でけっこう多数の書籍を使用します。法律関連の書籍は、価額が高価なものが多く、中古本を良く買っています。
(勿論、法令等の改正年や改正事項には気を使っています)
その場合、近所の古本屋ではないものでもネット通販ではたいてい出品があり、安いものを探して買ってます。

また絶版になった本で、近所の古本屋に無くてもネット検索で見つかるものはよくあります。
ネット通販の他にもネットオークションも利用します。
ネット通販にはなかったり、安いものがあったりするからです。

オークションではなかなか市場にはでまわらないものであれば価額が高騰し、思い切った値段をいれないと取得できないというデメリットはあります。あまりハマらないように気をつけています。

前置き長くてすいません。
よくネットオークションで出品者が注意書きしている言葉が「ノークレームノーリターン」ですよね。
クレームや返品は受け付けませんという意味なのですが、中古品としての常識的な範囲での
ノークレームであれば、理解できるし賛同します。
しかし、中には中古品とはいえ、これはちょっとというものもあります。

Q ネットオークションで腕時計を落札しました。
送られてきた品物はオークションの写真とは全く別物で、写真にはない傷やいたみも多数あり、写真では新品そのものですが、送られてきたものはかなり劣化があるもので写真とは別物でした。また、機械式の腕時計なのですが、全く動きません。出品者に返金を要求したところ、『「ノークレームノーリターン」と記載していますよね。貴方は納得の上、入札したのですよね』といいます。時計が不良品だといったところ「時計が正常に機能するとはどこにも書いていない」と反論され、写真と異なるものだといったところ「写真はその品物を撮影したものだ」といって議論は平行線です。最終的には「ノークレームノーリターン」と記載してあるとして取り合ってくれません。
「ノークレームノーリターン」という主張は、入札者にとって一方的に不利なものと思うのですが、この提示がある場合は全く返金請求は不可能なのでしょうか?


A 中古品を購入する場合、新品と同様のクオリティを要求することは、難しいところであり、中古品であると言うことで、常識的に考えられる範囲の汚れや傷がある場合、甘受しなければならないケースが多いことは事実です。

しかし、お金を払って購入する側としては、中古品とはいえ、全く使えない品にお金を払うつもりはないのが通常です。購入者の嗜好によっては例外もありますが、それはレアなケースといえます。
(例えば、動かない中古車であるが、希少なものだから、ガレージに保管して眺めるのが目的と言う人であれば、車が動かなくても買う価値はあります)
ですので、例えば、中古の腕時計が売られていれば、「この時計は正常に機能しません」と注意書きがない限り、この時計は動くのだろう。と考えて買う人が大多数だと考えられます。
機能しない腕時計を「床の間に飾って眺めること」を目的として買う人は極く少数、若しくはほとんどいないと考えられます。

ですから中古品といえ、時計を購入した人は、腕時計として機能するものを購入する目的で買ったので、動かない時計であれば、当然、返品して返金を要望します。

その場合に「ノークレームノーリターン」と記載してあれば、どんな場合でも返金を免れるというものではありません。
法律上の対応としては以下の対応ができます。
「法律上の錯誤とする無効」(民法95条)「詐欺による取消し」(民法96条)「商品に欠陥があることによる売買契約の解除」(民法570条・543条)等により、売買契約の無効・取消しを主張できます。
出品者が個人でなく、業者である場合、消費者契約法が適用され、「商品について事実と異なる説明をした」(消費者契約法4条)として取消しを主張することができます。

「錯誤」について説明します。
「錯誤」とは意思表示をした者(買うと言う意思を表示した購入者)の表示と表示者の真意が異なる場合のことです。
その異なる部分が意思表示の重要な部分であれば無効であるとされます(民法95条)
購入者が時計として機能するものであれば買おうと考え、買ったところ、実は動かないものであった。動かないものであれば買わなかったということですから「錯誤」に陥り本来は購入しないはずのものを購入したといえます。

出品者に「動かない時計だが、動く時計だと騙して売ってやろう」という目的があれば、「詐欺行為」となり、購入者は「詐欺による取消し」を主張できます。詐欺行為は刑事罰にも該当します。

商品に見ただけではわからない欠陥(もしくは、通常の注意では見つけられない欠陥)があった場合、(法律上「隠れた瑕疵」といいます)購入者は売買契約を解除できます。解除により、不良品を返品することにより、返金を請求できます。

出品者が業者である場合、「不良品であるという事実を隠して、又は事実と異なる説明をして」商品を販売した場合は、消費者契約法が適用され、契約の解除ができます。

上記のどの方法をとるにしろ、「ノークレームノーリターン」の掲示があってもなくても、返金を請求できます。

「ノークレームノーリターン」は、出品側の「返品はしません」という方針の提示に過ぎず、法律に違反しても返金を免れるものではありません。

上記の場合、中古品とはいえ機能しないものであれば、通常は不良品であり、返金が上記法律に適合する場合があると考えられます。
その場合、不良の程度が中古品として許容されるものかどうかについて、ケースバイケースで判断されます。
常識的な範囲かどうかを判断基準にされることが多いのですが、不良品である場合に返金を拒絶された場合、法律の適用があるかどうかについては、専門家に相談することをお勧めします。

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Author:ひろ
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借金・遺産相続・労働問題・債権回収・建物明渡・消費者問題等の
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高知県(幡多郡)四万十市中村東町2-8-7
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